- 菅沼合掌集落について -
菅沼合掌集落は、「白川郷・五箇山の合掌造り集落」として1995年12月に、ユネスコの「世界の文化及び自然遺産の保護に関する条約」に基づく”世界遺産”リストに登録されました。このことは、合掌造り集落の、人類全体のために保護されるべき遺産としての優れて普遍的な価値が世界に認められたことを意味します。
世界遺産「白川郷・五箇山の合掌造り集落」は、上平菅沼と平村相倉・白川村萩町の三つの集落から構成されています。
菅沼集落は、9棟の合掌造り家屋と3棟の非合掌家屋、土蔵・板倉、それをとりまく水田・耕作地、社叢などが保存すべきものとして特定されており、小規模ながらも歴史的集落としての真正性をよく保存している集落です。
「合掌造り」とは、「小屋内を積極的に利用するために叉首構造の切妻造りとした茅葺きの家屋」のことで、日本の他の地域には見られない民家の形です。急勾配の大きな屋根は重い積雪に耐え、またその内部を何層にも分けて養蚕に利用するための工夫から生まれました。それは屋根の構造に叉首と筋違いを採り入れ、また屋根の重荷を両方の柱に均等に配分するなど極めて合理的で、機能的にも構造的にも民家建築史上最も優れたものの一つです。
かつてはこの近辺のほとんどの集落に、合掌造りの家が並んでいました。しかし、現在ではそうした風景を残しているのは、この菅沼集落を含む三つの集落だけで、世界の貴重な文化遺産です。
五箇山観光マップ(くろば周辺)
合掌造りの形にも似た美しい吊り橋
「合掌大橋」
七たび県境をまたぎ、日本海へと注ぐ「庄川」
こきりこ節動画(約40秒)
歌詞
筑子の竹は七寸五分じゃ 長いは袖のかなかい(※1)じゃ
窓のサンサはデデレコデン はれのサンサもデデレコデン
向いの山をかづこ(※2)とすれば 荷縄が切れてかづかれん
窓のサンサはデデレコデン はれのサンサもデデレコデン
※1「袖のかなかい」とは「袖のじゃまになる」という意味で、踊りに対する思いが込められています。
※2向いの山をかつぐという大胆な発想とともに、五箇山の自然の偉大さを表しています。
民謡の里に佇む「悲恋哀話のお小夜塚」
〜流人哀話のお小夜塚〜
(上平村・小原)
昔、五箇山上平村の小原に「お小夜」という美しい女性が流刑されていました。
お小夜は、村人たちと交流を深め、多くの人たちに親しまれるようになりました。
しかし、ある日突然のお小夜の死に、村人はたいそう悲しみ、哀れんだといいます。
今も「民謡の里」として残る場所には、お小夜の口碑伝説に基づいてつくられた塚があります。
お小夜節は、もともとは「まいまい」の唄と踊りでしたが、お小夜の出現によって「お小夜節」と呼ばれるようになりました。
お小夜節動画(1分12秒)
歌詞
名をつけようなら お小夜につきゃれ
お小夜きりょうよし 声もよし 声もよし 声もよし
峠細道 涙で越えて
今は小原で 侘び住まい 侘び住まい 侘び住まい
心細いよ 籠乗り渡り
五箇の淋しさ 身にしみる 身にしみる 身にしみる
庄の流れに 月夜の河鹿(かじか)
二人逢う瀬の 女郎が池 女郎が池 女郎が池
輪島出てから ことしで四年
もとの輪島へ 帰りたい 帰りたい 帰りたい
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